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博多地鶏

旨味が強いサザナミと軍鶏のいいとこ取り!福岡が全国に誇る地鶏「はかた地どり」

全国に47種しかない希少な地鶏の一つ
福岡県唯一の地鶏「はかた地どり」

“地鶏”と聞くと、どんな鶏をイメージしますか?日本国内で年間6億8000万羽飼育されている鶏は大きく3つに分類されます。最も飼育数が多いのはブロイラー、次いで育て方や飼料などにこだわった銘柄鶏、そして最も少ないのが地鶏です。

軍鶏とサザナミから生まれた鶏にホワイトプリマスロックをかけ合わせた「はかた地どり」

地鶏の比率は全体のわずか1%しかないことからも、その希少価値の高さはわかるというもの。地鶏と呼ぶためには日本農林規格に定められた、いくつかの条件を満たす必要があり、全国でも47種しか存在しません。そんな希少な地鶏の一つ、福岡県が誇る「はかた地どり」を紹介します。

福岡の郷土料理、がめ煮や水炊きのために1987年に誕生
福岡の郷土料理、水炊き。写真は福栄組合 博多川端店で提供しているもの

「はかた地どり」は1987年に福岡県農林業総合試験場が3年の月日をかけて開発した地鶏です。ベースとなったのは当時、闘鶏において負けなし、無敵の大軍鶏と謳われた「石松」。「はかた地どり」には今なお、この「石松」の血が受け継がれているんです。

「はかた地どり」を生産・販売する福栄組合の専務理事、中垣誠さんにインタビュー

そもそもなぜ「はかた地どり」は開発されたのでしょう。そこには江戸時代に始まった鶏肉を好む福岡の食文化が深く関係しています。黒田藩が鶏卵生産を振興したことで、当時から比較的容易に鶏肉を手に入れることができた福岡。ゆえに、鶏肉と根菜類を炊いたがめ煮(筑前煮)、水炊きといった郷土料理が生まれ、今もその食文化は脈々と受け継がれています。ただ、国内で鶏肉の生産が盛んになった1975年以降、「がめ煮がおいしくない」「最近の鶏肉は肉質が柔らかく、水炊きに向かない」といった声が多く聞かれるようになり、「はかた地どり」の開発に着手しました。

2010年に新たな「はかた地どり」が誕生!
「はかた地どり」を育てる農場では、厳しい飼育管理がなされている

そんな35年以上の歴史を有する「はかた地どり」ですが、実は2010年にさらなる品種改良がなされました。それが福岡で昔から飼われてきた鶏「サザナミ」を交配に加えることでした。それにより肉質が柔らかくなり、さらに旨味も増すことに成功。新たな「はかた地どり」としてますます人気を高め、今では地鶏の中で全国3位の出荷量を誇るまでになりました。

福岡市西区元岡にある今宿農場

現在、「はかた地どり」を飼育している農場は福岡県内に10カ所あり、その一つが福岡市西区元岡にあります。今宿農場と呼ばれる福栄組合直営の農場で、2008 年5 月に「はかた地どり」の飼育をスタートさせました。広さは4,054㎡、およそ4万羽を常時飼育しており、80日齢以上で出荷、飼育密度は1平方メートルに10羽など「はかた地どり」の決まりに則って、高い意識のもと飼育されています。

福岡市内には「はかた地どり」専門店が!
櫛田神社のそばにあるはかた地どり専門店「福栄組合 博多川端店」

旨味成分であるイノシン酸を多く含む「はかた地どり」は、水炊きやがめ煮といった福岡の郷土料理はもちろん、唐揚げやソテーなど、さまざまな料理に合う地鶏です。

福栄組合 博多川端店で人気の、はかた地どりの炭火焼き

福栄組合では築後エリアを中心に唐揚げ専門店を7店舗、水炊きをメインとした鶏料理専門店を福岡市・上川端町で運営しており、気軽に「はかた地どり」を味わうことができます。

「はかた地どり」のささみは1羽につき2本しか取れない貴重な部位

また、「はかた地どり」が持つ栄養価も注目してほしい点です。ムネ肉にはイミダゾールジペプチドの一種である「アンセリン」「カルノシン」という成分が一般のブロイラーより多く含まれており、加齢で衰えやすい認知機能向上をサポートする効果があると言われています。その結果、2019年9月に生鮮食肉としては初めて、機能性表示食品として消費者庁に受理されているんです。

地鶏は1坪あたり33羽以下の飼育密度で育てる。ケージに入れず、放し飼いにするのも条件

飼育期間は80日以上、平飼いでゆったりとした飼育密度、安全性の観点から設ける60日以上の休薬飼料期間、養鶏から処理販売まで一貫体制での生産など、さまざまなこだわりを持って福岡県内で育てられる「はかた地どり」。ぜひ一度味わってみてください。

※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。

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