ふくおかさん家のうまかもん

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ワカメ

採れる場所によって食感や味が違う博多湾の
「ワカメ」

福岡市の各漁港では、2月から4月にかけて天然ワカメの収獲が行われています。また箱崎、志賀島、弘の3つの地区では養殖ワカメも生産されています。穏やかな内海と玄界灘の荒波に揉まれる外海では、それぞれ食感の違いはありますが、どちらのワカメも磯の香りがよく、葉が肉厚でシャキシャキとした歯触りと煮込むととろけるような柔らかさが特徴です。
ワカメが低カロリーということはよく知られていますが、低カロリーなだけでなく栄養素が豊富に含まれているのがワカメのすごいところ。注目すべきは食物繊維とミネラルの豊富さで、新陳代謝の促進や脳の働きをサポートするヨウ素や、体内の機能や血圧を調整するナトリウム、ナトリウムとともに細胞の機能を支えるカリウム、骨や歯を作ったりストレスを和らげるカルシウム、便秘解消や血圧を下げる効果のあるマグネシウムなどが含まれています。ただし美味しいからといって食べ過ぎはあまりよくないのだとか。栄養たっぷりのワカメは、毎日少しずつ取り入れるのがよさそうです。
福岡で獲れる様々なワカメをご紹介します。

天然と養殖を食べ比べてみたい「弘わかめ」

※福岡市提供

志賀島西部に位置し、玄界灘の荒波と博多湾の栄養ある流れが交差する弘の漁場では、天然ワカメが育っています。天然はしっかりとして歯ごたえがあり、養殖は緑色が鮮やかでやわらかいのだとか。弘のワカメは博多の高級料理店でも使われているほど質が高く、特に新芽は舌触りが抜群によいと評判。毎年春の発売を待っている人も多い人気商品です。
その美味しさの秘密は島から志賀島近海へと流れ込む養分にあります。海藻が育つために必要なリンやチッ素が豊富に含まれていて、ワカメなどの海藻が元気に育つだけでなく、それをエサにする草食のサザエなどもよく育つのだそうです。

弘のワカメ漁は、養殖が2月下旬から、天然が3月下旬から始まり、商品が出回るのは4月から。市内のデパートやスーパー、鮮魚店など、いろいろなところで購入可能です。弘支所隣の「SHOPヒロ」には、ワカメの他、「茎わかめの佃煮」などオリジナルの加工品も並びます。サザエのつぼ焼きも食べられるので、志賀島に行った際には是非立ち寄ってみてください。

シャキシャキして肉厚な「志賀島産わかめ」

志賀島支所の漁場でも、弘と同様に玄界灘の荒波の影響を受けた、濃い緑色のつやつやとした肉厚のワカメが育ちます。こちらも養殖、天然、茎ワカメの3種を育てていて、どれも磯の風味豊か。志賀島のおみやげとしても喜ばれそうです。

志賀島産ワカメは志賀島支所そばの「志賀島センター島の幸」で購入できます。こちらでは地元で獲れた魚の干物、サザエなどを販売しているほか、隣接する食堂で地元産の海の幸を味わうことができます。

早採りでやわらかい「箱崎わかめ」

博多湾にある箱崎支所のワカメは、“早採り”が特徴で、同じ時期に種を撒いても他のエリアより成長が早いというから驚きです。

現在、漁船「天神丸」にのって、4人の漁師さんがワカメを養殖しています。おだやかな湾内には、天然の栄養分となるリンが多く留まり、さらに浅瀬で水温が低くなるのが早いため、ワカメもグングン成長するそう。毎年2月中旬から1ヶ月前後、1m20cmほどに育ったワカメを収獲します。1日3〜4本ずつ収獲し、1週間ほど塩漬けした後に脱水にかけて袋詰めに。青々としたワカメは、早採りならではの、みずみずしくやわらかな食感がたまりません。水にさらして塩気を抜き、ポン酢をかけて味わうだけでも美味しくいただけます。

パッケージに描かれている赤い鳥居は、箱崎支所のすぐそばの箱崎浜にたつ「筥崎宮」の浜之鳥居です。ここは「博多祇園山笠」の「お汐井とり」で法被姿の男衆がお清めの砂を取りに来るところでもあります。

「箱崎わかめ」を手に入れたいときは箱崎支所へ。毎年200〜300袋まとめ買いしたり、わざわざ遠方から1〜2袋だけ買いにくるほどのファンもいるそうです。収獲して2ヶ月ほどで売り切れることが多いため、早めの購入がおすすめです。

さわやかな磯の香りとしなやかな食感の天然ワカメ

伊崎支所では、天然もののワカメを育てています。実は天然ものは国内で流通するワカメのうちわずか5%にも満たないほどの希少なものなのだとか。中でも、博多湾の養分が多い良質な粘土質に育まれた天然ワカメはさわやかな磯の香りとしなやかな食感が特長です。

潮の流れが速いミネラル豊富な海底で育つワカメの新芽だけを海人(あま)さんたちが素潜りで刈り取っています。2~3月、新芽が伸びてくる時期がワカメの旬で、天然の生ワカメが味わえるのはこの時期だけだとか。伊崎の天然ワカメは香りといい、歯ざわりといい抜群の美味しさ。この時期に獲れたワカメが塩ワカメに加工され、一年中味わうことができます。「天然塩わかめ」は福岡市漁協伊崎支所で購入できます。

旬だけのお楽しみ!
絶品「天然ワカメしゃぶしゃぶ」

警固本通りの海鮮居酒屋「博多 わたぬき-わ狸」では、漁師さんが食べているという美味しいワカメ料理を味わうことができます。
1品目は「伊崎ワカメのシジミ出汁しゃぶしゃぶ」。こちらは、シジミのエキスがたっぷりと溶け出した出汁にサッとワカメをくぐらせていただくお鍋で、茶色の生ワカメが一瞬で鮮やかなグリーンに変わる様子を楽しみつつ、磯の香りを満喫します。柔らかいのにシャキシャキとした歯ごたえがあり、もう止まりません。

2品目は「伊崎のめかぶで食べる鹿児島黒豚しゃぶしゃぶ」。一番だしで脂の甘みが濃い黒豚をしゃぶしゃぶして、フレッシュなメカブと一緒にいただきます。育った場所は違うのに、この相性のよさは衝撃的。出会うべくして生まれてきたのではないかと運命さえ感じる組み合わせです。こちらの2品、ワカメの採れる春限定のメニューなのでお見逃しなく!

地元はもちろん、九州各地から厳選した食材を使い、割烹のような質の高い料理を居酒屋の気軽さで味わえる「わたぬき」。人気焼鳥店「へて」出身の店長・野坂健太さんと「丸秀鮮魚店」や京都の「炭屋旅館」で経験を積んだマネージャーの林田さんがお店を切り盛りしていると聞けば、納得。海鮮系メニューから串焼きまで、さすがのラインナップです。
「ワカメやメカブのメニューは春だけなので、まだ食べたことのない方は是非味わってみて欲しいです」と野坂さん。ご本人もこのメニューを初めて食べたとき、かなりの衝撃を受けたそうです。福岡の春の味覚をご堪能あれ!

博多 わたぬき-わ狸についてはこちら

※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。

情報

産地
弘・志賀島・箱崎(東区)、玄界島(西区)、伊崎(中央区)
3月4月
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