ふくおかさん家のうまかもん

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うまかもん

カブ

やわらかくて甘みが強い「博多かぶ」

「博多かぶ」は背振山のふもと、清らかな水が流れる室見川流域で主に栽培されています。この地方で採れるかぶは、ほかのエリアのかぶと比べて、より甘くてやわらかいのが特徴。鍋ものなど調理用はもちろん、サラダや漬物など火を通さずにそのまま食べるのもオススメです。

15年間「博多かぶ」を作っている金武かぶ部会の会長・牛尾邦彦さんは「昔からここのカブは美味しいことで知られています。特別なことはしてないのですが、土や気候がカブに向いているんでしょう。自然と甘くてやわらかいかぶが育ちます」と語ります。

かぶは盆明けからまいた種が10月ごろに収穫期を迎え、3月まで収穫が続きます。旬は他の冬野菜同様12~2月の寒い時期。朝収穫したかぶを作業場に持ち帰ってすぐに洗浄し、大きさごとに選別した後、箱詰めを行い、その日の午後にはJAの集荷場に出荷します。各農家から集まってきた「博多かぶ」は、その日のうちに市場へと届けられ、2~3日中には新鮮なかぶが店頭に並びます。この収穫から食卓に届くまでのスピードの速さも、美味しいかぶが食べられる理由のひとつです。

美味しいかぶの見分け方は、身が白く、丸く、ツヤツヤで、葉が青々としていること。葉付きのかぶを買って来たら、葉が根の水分を吸いあげてしまうので、すぐに葉を切り落とし、ポリ袋に入れて冷蔵で保存。葉はさっと塩ゆでにして水気を切り、ラップにくるんで冷凍保存するとみそ汁や料理の青みとして使えます。
牛尾さんの一番のオススメは、博多かぶの“刺身”。刺身とはかぶをスライスして醤油で食べるといういたってシンプルな食べ方。甘みのある「博多かぶ」だからこそできる食べ方です。「もちろん漬物や酢の物にもしますし、シチューや鍋ものにも入れます。かぶは大根と違ってすぐ火が通って溶けてしまうので、仕上げ寸前に入れてくださいね」と牛尾さん。
かぶは和洋どちらにも活用できる万能野菜です。また、実の部分にはビタミンCや消化酵素のアミラーゼ・ジアスターゼ、葉には抗酸化作用の高いβカロテンやビタミンCのほか、筋肉や神経の機能をサポートしてくれるカリウムが豊富に含まれています。葉も実も栄養価が高いので、一緒に食べるとよさそうです。

魚の旨みを纏ったかぶの繊細な味わいを堪能

渡辺通りから1本入った高砂エリアにある「和こじま」はプロスポーツ選手や著名人も訪れる和食の名店。夜は完全予約制ですが、昼は大人気の「海鮮丼」や「本日焼魚膳」など、バラエティ豊かなランチが用意され、気軽に訪れることができます。

店を率いているのは小島泰志さん。いわずと知れた福岡の名店フレンチで16年間シェフとして修業した後、「やはり白いご飯が好きだから」と2001年に「和こじま」を開業。料理の美味しさはもちろん、小島さんの細やかな心遣いが感じられる質の高いサービスが受けられるとあって、口コミで人気が広がっていきました。

福岡産のかぶを使った「蕪と鰆の揚げだし」。「12月〜1月に採れる博多のかぶを使っています。福岡のかぶは大きく、キメが細かい。ふわっとしていて食感も柔らかいですね」。揚げ出しにしたかぶは、かつおだしと鰆の旨みが染み込み、口にした瞬間にとろけるような柔らかさと、かぶ独特の風味がふわっと広がります。博多湾で採れたワカメや、金時人参、山形の山菜「うるい」などが添えられた、初春にふさわしい一皿です。

「四季の豊かさを表現するのが、日本料理のひとつの使命。繊細で香り高い食材の持ち味を最大限に引き出すための味付けを心がけています」と料理長の平林源さん。「なだ万」やヨルダン大使館での経験を経て、2017年から小島さんとタッグを組んでいます。

店内はカウンターやテーブル席のほか、接待にも最適な個室や掘り炬燵タイプの小上がりもあり、大人がゆっくりとくつろげる印象です。アラカルトもありますが、夜は1万円からのコースが中心。
福岡や九州産の滋味を心ゆくまで味わいたいものです。

和こじまについてはこちら

※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。

情報

産地
金武・北崎(西区)
1月2月12月
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