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コノシロ
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市内の小学校給食でも提供される地魚
「コノシロ」
「魚」編に「冬」と書いて「鮗(コノシロ)」。その名の通り、コノシロは冬の時期に旬を迎える魚です。博多湾でよく獲れているにも関わらず、あまりスーパーなどで見かけないのは、骨が多く鮮度を保つのが難しいから。でも、実はコノシロは寿司ネタで知られる「コハダ」と同じ魚。旨みのある青魚で、幼魚が「シンコ」、8~10cm程度のものが「コハダ」、11〜15cmのものが「ナカズミ」、16cm以上のものが「コノシロ」と呼ばれます。ブリのような出世魚のようにも聞こえますが、コノシロはその逆で小さい時の方が価値が高いとか。江戸前寿司の世界では、「シンコ」は捌くのも難しく、酢締めの具合にも熟練の技が求められるため、職人の腕が問われるネタとされています。
「コノシロは博多湾でよく獲れる魚なんですよ」と福岡市漁協姪浜支所の漁師、西永圭吾さん。旬を迎えたコノシロは脂ののりが良く、切ると包丁にしっかりと脂がつくくらいなのだそう。
白身で旨みの濃いコノシロの美味しさをもっと広めたい!と姪浜支所では、福岡市内約9万人の小学生の給食にコノシロを提供しています。新鮮な魚を食べて欲しいと、ここからがスピード勝負!姪浜支所では、夜中に漁から戻った船からコノシロを受け取ると、すぐに頭と内臓を取る一次加工場へコノシロを運び、それが終わると二次加工場でミンチ状にして調味。わずか1日で商品化しています。「新鮮なコノシロの味を少しでも伝えたくて、急いで加工しています。しかし、自然相手なので時には漁獲量が足りない時も。そんな時は組合員みんなで助け合ってコノシロ漁に出てまかなっています」と姪浜支所・支所長の宗竜也さん。漁師さんと漁協がタッグを組んで、美味しいコノシロをつみれに加工して学校給食へ届けています。
また、コノシロの美味しさを伝えるべく、西永さんは6次化にもチャレンジ。獲れたて新鮮なコノシロを昆布締めにした「このしろっす」は生産から加工、販売まで西永さんファミリーがひとつひとつ手作業で丁寧につくった自信作です。「博多湾のミネラル分をたっぷり吸収したコノシロは旨みたっぷりです。皮の表面をフライパンやトースター、できればバーナーで炙って食べると甘味が増して美味しいんですよ!」と西永さん。しっかりシメたものと、軽くシメたものと2種類あり、姪浜支所で購入可能です。
骨の多いコノシロですが、細く切ってお刺身にするとダイレクトにその美味しさが伝わります。ワサビのほか、おろしショウガでいただくのもオススメ。もし、魚屋さんでコノシロを見つけたら、ぜひ試してみてください。
ふくおかさん家のうまかもんレシピ
コノシロの手毬寿司
■材料
「このしろっす」 1袋
酢飯(熱いごはんにすし酢を混ぜたもの) 適宜
木の芽
■作り方
1. 「このしろっす」を2センチ幅に斜め薄切りにする。
2.酢飯にみじん切りの生姜と白ごまを混ぜる。
3.ラップを広げ、1の「このしろっす」を1切れ並べ、ピンポン玉くらいの大きさにした2の酢飯をのせ、ねじって手毬風に形を整える。
4.ラップを外し、木の芽を飾る。
■Point
酢飯にわさびを加えたり、黒米や赤米を加えて炊くと色付いた酢飯ができます。トッピングを変えたりしてアレンジ手毬寿司を作りましょう。
コノシロの和えもの
■材料
「このしろっす」 1袋
山芋 10センチ
出汁 大さじ2
薄口醤油 小さじ1
生姜の千切り 適宜
ミョウガの千切り 適宜
■作り方
1.「このしろっす」を1センチ幅に切る。
2.山芋を千切り器でおろすか細い千切りにする。山芋に出汁と薄口醤油で下味をつける。
3.器にスライスした山芋を敷き、上に1の「このしろっす」を乗せる。
4.生姜とミョウガをトッピングする。
■Point
すべての具材を混ぜながら一緒に食べてください。「このしろっす」は臭みもなく、簡単に美味しいコノシロ料理を楽しめます。
(レシピ提供/料理教室「Yumijina taverina」主宰・三島弓路)
※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。