ふくおかさん家のうまかもん

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うまかもん

カニ

オスは7~11月、メスは12~6月が旬の
「ワタリガニ」

「ワタリガニ」といえば有明海などがよく知られていますが、実は博多湾でも美味しい「ワタリガニ」が獲れているんです。「ワタリガニ」は「ガザミ」とも呼ばれ、博多湾には在来種の「ワタリガニ」と「タイワンガザミ」の2種が生息しています。どちらも内海の砂泥底に生息していて、成長すると25㎝(重さ1㎏)ほどになります。

写真上の足先が青くて柄がはっきりしているのが「タイワンガザミ」のオス、下が「タイワンガザミ」のメスです。

写真上は「ワタリガニ」で、見た目は少しずつ違います。味はほとんど変わらないそうですが「ワタリガニ」の方は希少なため、高く取引されています。どちらも茹でると赤くなります。
「ワタリガニ」の名前の由来は、その脚にあります。ズワイやタラバと違い、一番下の脚がボートのオールのようになっていて、その脚で水中を泳ぎ、遠くへ移動することから「ワタリガニ」と呼ばれるようになったそうです。
旬は、12~6月の内子を持ったメスが好きという人もいれば、7~10月の秋にぎっしりと身の詰まったオスが好きという人もいて、好みが分かれるところです。旬のオスはメスの何倍も身の甘みがあると言われています。身をとるか、内子をとるか、買う時に選ぶのがよさそうです。

ちなみに、オスとメスの見分け方は簡単。腹側の“フンドシ”と呼ばれる部分を見ます。写真上がメスでフンドシの部分が丸みを帯びています。それに対して下のフンドシが尖った三角形をしているのがオスです。

ワタリガニは、茹でたり、蒸したりしてシンプルに味わうのが一番ですが、最近はケジャンにするために韓国料理店からの注文も多いとか。パスタや中華料理など、さまざまな料理に使われています。

親子3代で漁師をする森さん一家。カニは「底びき網」やエサを入れたかごを海中に沈めておく「雑かご漁」という漁法で獲られています。
また、安定した漁獲量を保つため外子(殻の外側の子)が付いているカニは放流するという試みを実施。その結果、数か月後にはたくさんのカニが成長し、漁獲量を保つことに成功したのだとか。ほかにも、関係機関などと協力して他県での成功した取り組みを取り入れるなど、漁協をあげて海の環境をよくする努力をしているのだそうです。

伊崎漁港では「伊崎のおさかな夕市」(毎週土曜14時55分~)を開催。カニをはじめ、エビやシャコやアナゴ、タコなど、旬の魚介類が並びます。人気なので早めに到着してお目当ての魚の列に並ぶのをおすすめします。

ふくおかさん家のうまかもんレシピ

ワタリガニの中華蒸し

■材料
ワタリガニ 1杯

[漬けだれ]
水 50cc
紹興酒 50cc
醤油 100cc
みりん 大さじ2
酢 小さじ1
玉ねぎのすりおろし 半個
ニンニクすりおろし 1片
ショウガすりおろし 1/2片
ゴマ油 小さじ1

■作り方
1.カニを下処理する。
2.漬けだれをつくり、カニを30分以上漬け込む。
3.蒸し器に入れ、強火で10分蒸す。

■Point
新しいものは、タレに半日以上漬け込んでそのままケジャン風にいただくこともできます。カニは、甲羅が硬く口の周りが黒ずんでいないものを選びましょう。
カニに含まれるアスタキサンチンは高い抗酸化作用があり、免疫力を高める作用があるといわれています。

(レシピ提供/料理教室「Yumijina taverina」主宰・三島弓路)

※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。

情報

産地
姪浜・玄界島(西区)、志賀島・弘(東区)、伊崎(中央区)
通年
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