ふくおかさん家のうまかもん

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うまかもん

ヒラメ

栄養たっぷりの玄界灘で育つ脂の乗ったヒラメ

福岡市西区、玄界灘の北西40㎞に浮かぶひょうたん型の島・小呂島(おろのしま)。姪浜から市営渡船で約1時間、約170人の島民とたくさんの猫が暮らし、自然豊かでゆっくりとした時間が流れる小さな島です。よい漁場に恵まれ、島の8割の人が漁業に従事するというこの島は、年間を通して多種多様な魚が獲れ、全国はもちろん、市内の市場に届けられています。特にヒラメとブリの漁獲量は市内随一。取材した日もたくさんのヒラメが市場に出荷されていました。

福岡市漁協小呂島支所におじゃまして、漁師歴14年の漁師・島田乾生さんに小呂島の漁についてお話を伺いました。「ヒラメは2~3月と8月あたりの産卵時期の年に2回旬を迎えます。小呂島では1~4月にヒラメ漁を行っていて、ヒラメはさし網漁という漁法で獲ります」。さし網漁とは、網をカーテンのように仕掛けておいて、泳ぎ回る魚が網に絡むのを待って網を回収する漁法です。小呂島ではこの漁法で、ヒラメやミズガレイを漁獲しています。
漁場である玄界灘は流れが速くて栄養豊富なので、他の魚と同様によく肥えた美味しいヒラメが育ちます。特に、イワシなどをエサにするヒラメにとって、玄界灘は理想的な環境なのです。

ヒラメは砂地に生息していて、最大で全長1m、体重10㎏ほどになります。高級食材として、主に刺身や寿司ネタに使われることが多く、身は白身で、淡泊で繊細な味わい。特にヒレの付け根の部分は「縁側(えんがわ)」と呼ばれ、独特の歯ごたえと脂の乗りを味わうことができると珍重されています。
小呂島で水揚げされたヒラメは生け簀に入れられ、2~3日ごとにまとめて市場に出荷されます。

ちょうど島を訪ねたとき、漁協のみなさんによるヒラメの出荷が行われていました。それぞれが獲ってきたヒラメを入れたかごの重さを量り、船へと積み込みます。生け簀に入れて運ばれるものもあれば、締めて箱詰めにして出荷されるものもあります。どちらにしても、鮮度をキープしながら市場へ輸送。このようにして新鮮でおいしいヒラメを味わうことができるのです。

玄界灘のヒラメは火を入れてもふっくら

玄界灘で獲れたヒラメを味わうなら「ビストロ・シェ・ラパン」へ。こちらは、老舗フランス料理店で、ビストロスタイルのカジュアルなアラカルトメニューから本格的なコース料理まで、幅広い使い方ができる懐の深いお店です。今回いただいたのは「ヒラメのイル・ド・フランス風」。イル・ド・フランスは、パリを中心としたフランスの地域名で、海に面しておらず新鮮な魚が手に入りにくかったため、なんとか魚を美味しく食べようと考案された調理法だとか。玄界灘の新鮮な魚を使えば、間違いなく美味しく仕上がりますよね。ソテーした野菜に生クリームやバターを加えたまったりとしたソースが、淡泊なヒラメによく合います。肉厚のヒラメはふっくらとしていて食べ応えがありました。

店内ではシャンソンが流れ、パリの下町にある食堂のような雰囲気が漂います。神屋浩シェフは、西鉄グランドホテルや中洲の「花の木」、神戸のフランス料理店などで経験を積んだ後、自店をオープン。伝統的なフランス料理を気軽に味わうことができると、幅広い世代に愛されているお店です。
入口にはカウンター席もあり、おつまみ3種+ワイン1杯の「ちょっとワインセット」など、待ち合わせや食後にもふらりと立ち寄りたくなります。コースは要予約。シェフに相談すれば、予算に応じてコースを組み立ててくれます。

ビストロ・シェ・ラパンについてはこちら

※この記事は公開時点の情報ですので、その後変更になっている場合があります。

情報

産地
小呂島・玄界島(西区)、弘・志賀島(東区)
2月3月8月
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